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一撃ラットショッカー RS-01

●内部に餌をしかけ、侵入すると底面の電極から6000~8000ボルトの高電圧で速攻ネズミ退治
●ネズミ侵入後、4分間、高電圧を流します。
●安全保護スイッチ有
●乾電池(別売)で駆動
●上部セパレート式(感電防止スイッチ搭載)
●仕掛け用エサ(別売)必要
●配線不要
※防水ではありません。

<内部構造>
装置内部に 3枚の電極プレートがあり、装置奥に誘因用のエサをセットします。
ネズミが装置内に侵入し、電極にまたがることでコンデンサに蓄えた電気を放出し、ネズミを駆除します。

電源単2電池4本
高電圧6000-9000V
高電圧生成時間約4分
動作電流18mA
高電圧動作電流580mA
使用回数目安約20~30 回供給(新品の電池使用時)
本体サイズ縦125mmx横幅100mmx奥行き215mm
生産国中国

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ミンナール ~ マンネケ/バッハを思う~何と儚く、何と空しく A.D.2020
ハンネス・ミンナールの新譜『ゴルトベルク変奏曲』のボーナスCDに収録されている曲は、ミンナールがオランダの作曲家ダーン・マンネケに依嘱した《Gedanken zu Bach : Ach wie flüchtig, ach wie nichtig... AD 2020, for piano》(バッハを思う~何と儚く、何と空しく A.D.2020き, 2020年)。

Goldberg Variations-Sacd-
(2021/9/24)
Minnaar, Hannes

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アムステルダムのDe Waalse Kerkでセッション録音。
録音は2020年8月3日-6日にアムステルダムのDe Waalse Kerkにて。


カンタータ第26番をモチーフにした6楽章構成の幻想曲で、使われているモチーフはカンタータの最後のコラール。他のバッハ作品の旋律も聴こえる。

冒頭から低音も高音も旋律も響きも不気味で、やっぱり現代音楽。と思ったら、次は目まぐるしく動き回れる旋律に変わり(ポップでCMに出てきそうな曲)、厳粛なバロック風の音楽やら、現代風・古典風のいろんな断片的なモチーフが交錯していく。現代音楽と古典音楽を組み合わせたような面白い曲。

I. Lontano
やや無調がかって、音がまばらで、現代音楽風。不気味な雰囲気がメシアンにほんの少し似ている。



II. Toccata primo
現代風なトッカータ。ずっと昔のトリニトロンカラーのCMに出てくる旋律を思い出した。



III. Aria/Ayre (Ach wie fluchtig, ach wie nichtig/Flow my tears)
バロック風の叙情的な旋律。



IV. Intermezzo sospeso
静かな水面が急に飛び跳ねねたり、何かが蠢きつつあるような不可思議さ。



V. Evocazione BWV 854 (Berceuse)
どこかで聴いたようなバッハの旋律が出てくる。



VI. Toccata secundo
第2曲”Toccata primo”と同じような旋律と曲想


最後は《ゴルトベルク変奏曲》のアリアでアルバムは完結。


『星野道夫のいた風景』(DVD)、写真集『星野道夫の仕事〈第1巻〉カリブーの旅』
『星野道夫のいた風景』というDVDを図書館で借りて観たところ、カリブーの大群が広大なアラスカの大地を移動する映像が壮観だった。子連れのアザラシや白クマの映像も可愛いけど、こういうのはいろんな写真集でもよく見かけるので、カリブーほどには魅かれなかった。

星野道夫のいた風景 生きもの地球紀行 白夜の北極圏 アラスカの短い夏 [DVD]
(2018/2/9)
星野道夫 (出演)





カリブーの映像にやたらに惹かれてしまったので、久しぶりに写真集を買いたくなった。
星野道夫の写真集のなかで、カリブー中心のものは、新潮社版『カリブー 極北の旅人』と朝日新聞社版『星野道夫の仕事<第1集>カリブーの旅』。どちらも没後出版で頁数はほぼ同じ。写真集は実物で確認しないと失敗するので、図書館で2冊とも借りて見比べた。

新潮社版『カリブー 極北の旅人』は、ほとんどカリブーだけの写真が載っているのは良いとして、『星野道夫の仕事』よりも一回り小さい本なので、写真も小さくなる。そのためカリブーの群れの一頭一頭が小さくなって見ずらい。さらに、1頁に複数の写真を掲載している場合、サイズが圧縮されたり、写真の一部をカットしたりしているので、写真がさらに小さくなり迫力が無くなる。
一番の問題は、写真の頁の間に挿入されているエッセイの頁が1頁か見開き2頁あり、大きな文字と広い行間で、余白には動物や風景が墨絵が描かれている。そのエッセイが合計32頁もあり、貴重な頁を無駄に使っている。また、全体的に暗めの仕上がりで引き締まった感じになり、好きな色調だけどカリブーの茶色の毛色が黒っぽくなり微妙なグラデーションが消えてしまったりする。
写真サイズが小さく、色合いも暗めで、無駄にスペースを使ったエッセイの頁が多すぎるので、買わなかった。

カリブー 極北の旅人
(2009/8/26)
星野道夫

※カスタマーレビューの批判的コメントがあまりに的を射ていた。


朝日新聞社版『星野道夫の仕事<第1集>カリブーの旅』。本のサイズが大きく、写真も1頁に1点か、見開き2頁で1点。エッセイは少なく、ほとんど写真の周囲か隅の方に載っているだけで、写真点数にほぼ影響していないのが良い。
カリブーの写真は約90点。アラスカの山間や平原・雪原を進み、崖を下り、河を渡り、一休みしているカリブーの群れ、生まれたてのカリブーの子供と親、脚で角を掻く面白い姿など、様々な姿とカリブーの写真。セスナで撮影したらしき鳥瞰写真も何枚か入っている。特に広大な自然の中に小さなカリブーが群れを成している壮観で、そのなかには見開き2頁に渡る広大な風景とカリブーの大群が映っている写真も数枚ある。
一番印象に残ったのは、小さな川なのに怖くて渡れない子カリブーの顔に、鼻先をつけて励ましている親カリブーの写真。他の本にこの写真が載っていて、親カリブーが何度も川を渡っては戻り、子カリブーを渡らせようとしている、もっと先に大きな流れの激しい川があるのにこの子カリブーは渡れたのだろうか、とか書いていたと思う。

カリブー以外の写真は約50点。フクロウ(親や雛)が一番多く、狼、白熊、リス、ウサギ、鳥、植物、風景写真、さらにカリブーの死体を食べる動物たち、人間が仕留めたカリブーの運搬・解体風景(数枚)などもあり、アラスカの自然と生活のリアリティが垣間見れるのが良い。
白フクロウの写真数枚が大きくて、結構インパクトあり。フクロウの雛たちに口うつしでミミズ?を与える親フクロウ、少し大きくなった子フクロウの側に転がっているエサのホッキョクジリス、雛がかなり成長してギョロとした眼と風貌が魔法使いみたい。

全体的に写真の色合いが明るめで色のグラデュエーションがわかりやすい。エッセイが少なく、写真は大きく点数も多く、カリブー以外の写真も結構面白くて、結局こちらを購入。

星野道夫の仕事〈第1巻〉カリブーの旅
(1998/9/1)
星野道夫




『星野道夫の仕事』の第2巻~第4巻も図書館で借りたけど、第2巻の白熊とアザラシ(の子供)の写真も面白く、愛嬌があって楽しい。でも、そういう写真集は他にもいろいろあるから、私にはカリブーの写真が多数載っている第1巻に素晴らしい写真が多かった。

星野道夫の本は★レディースウエア 【3%OFFクーポン発行中】Champion/チャンピオン SALE CW-R303 070 ウィメンズ ワイド TEE 半袖Tシャツ オックスフォードグレースポーツウェア(ウィメンズ)【39ショップ】など数冊読んだ。『ノーザンライツ』で勉強になったことは、チャリオット計画(Operation Chariot)の話。
1958年にアメリカ原子力委員会が立案した計画で、アラスカに核爆発によって人工湾を作り、そこに大規模な港を作るという、今では荒唐無稽な開発計画。地元住民のイヌイットたちやアラスカ大学の生物学者ブルーイットなどの反対運動でこの計画は頓挫。この反対運動の結果、ブルーイットは米国内の大学に勤めることができなくなり、カナダに移住。星野道夫はカナダに住むブルーイットに会ったが、ずっと昔のチャリオット計画にまつわる話は何もしなかったという。
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10月に東京と豊田市で開催されたペーター・レーゼルの日本で最後のソロリサイタル。どちらにも聴きには行かなかったけど、NHKの『クラシック倶楽部』で放映した紀尾井ホールのリサイタルがNHKオンデマンドで試聴できるのを発見。
購入期限だった12日に単品(220円)を購入して、それから3日間(72時間)だけ視聴できる。(追記:18日には非公開になっているので、「まるごと見放題パック」(990円/月)でも視聴できないと思う。)

クラシック倶楽部 ペーター・レーゼル ピアノ・リサイタル(東京・紀尾井ホール、2021年10月13日)

Google Chromeではなぜかページ移動も会員登録もできなかったので、Microsoft Edgeで会員登録後、購入。すぐにライブ映像を見ようとしたら動画再生ができない。Q&Aに書かれている通りに動作環境を確認し、セキュリティ設定などいろいろ変更し、1時間以上試行錯誤の末に、Ghostry(広告ブロッカー)が邪魔をしているのに気が付いて、オフにしてようやく再生できた。

購入前に視聴時間が55分だと表示されていたので、予想していた通りシューベルトと、さらにアンコール3曲もカットされていた。
もともとクラシック倶楽部の放映時間自体が55分だったので仕方がない。

すでに76歳のレーゼルは、相変わらず打鍵が正確で指がもつれるようなこともなく、濁りなく澄んだ響きが美しい。
ハイドンの《ピアノ・ソナタHob.XVI:52》は、柔らかいタッチでフォルテは強打せずにやや弱めで全体的に穏やかで落ち着いた感じ。弱音で弾く旋律の清楚な響きが綺麗。
ベートーヴェンの《ピアノ・ソナタ第32番》は、ハイドンよりもフォルテも大きく力感も強め。今回の演奏は、2011年に紀尾井ホールでライブ録音したCDで聴いている演奏とはいろいろな点で違うものがあり、10年という長い時間が経っていることを実感した。
【新譜情報】ポール・ルイス ~ ブラームス/後期ピアノ作品集
2022年1月中旬発売予定のポール・ルイスの新譜は『ブラームス/後期ピアノ作品集』。
収録曲は《幻想曲集 Op.116》、《3つの間奏曲 Op.117》、《6つの小品 Op.118》、《4つの小品 Op.119》。

ブラームス/後期ピアノ作品集
(2022年01月中旬発売予定)
ポール・ルイス

試聴ファイルなし
録音:2018年1月、2019年1月、テルデックス・スタジオ・ベルリン(ドイツ)

ルイスは《ピアノ協奏曲第1番》と《4つのバラード》は録音ずみ。
Brahms: Piano Concerto No.1, Ballades Op.10
(2016/11/3)
Paul Lewis;Swedish Radio Symphony Orchestra;Daniel Harding

試聴ファイル



控えめなルバートでゆったりと穏やかに、柔らかい響きで優しく包み込むようなブラームス。この演奏を聴いただけでルイスのブラームスをもっと聴きたくなる。ブラームスもルイスも好きなので、試聴せずCDを早速予約。
paul lewis live at flagey | Brahms, Sechs Klavierstücke, op. 118 (1893) intermezzo



珍しいライブ映像は、シューベルト歌曲集でもルイスがピアノ伴奏したパドモアのブラームス歌曲「死、それは冷たい夜」。
Mark Padmore and Paul Lewis Perform Brahms’s ‘Der Tod das ist die Kühle Nacht’


そういえば、今年からクラシックの新譜発売数が増えている気がする。少なくとも私の好きな演奏家(ハフ、ミンナール、ルイス、F.P.ツィンマーマンなど)は例年よりもリリース間隔が短く、今年発売したCDはルイスが2枚、ツィンマーマンは4枚、ハフは5枚とかなり多い。世界中で演奏会が減っているから、録音する時間もエネルギーも充分あるだろうし、CDで聴けるのは嬉しい。

角幡唯介『狩りの思考法』 (2)

狩りの思考法 (アサヒ・エコ・ブックス)
( 2021/10/29)
角幡 唯介 (著)

<目次>
コロナ以後と未来予期
死が傍らにある村
ナルホイヤの思想
計画と漂泊
モラルとしてのナルホイヤ
偶然と調和
死んだ動物の眼
あとがき

<狩りの面白味>
著者は、獲物を追いかけるときや射程範囲ににじりよる時などに感じる感覚を例に挙げて、「狩りを前提にした旅行をしたいという欲求をおさえられないのも、その根底に面白味があるからだし、この面白いという感覚は、太古の昔に狩猟して生き残ってきた種族としては生物学的にも必要だったものであるはずだ。なぜなら狩りを面白いと思える感覚がなけければ、ホモ・サピエンスが他の肉食動物との生存競争を立ち向かえたはずがないからだ。原野で生きのこるために、人類は狩りを面白いと思えるように進化した。」(214頁)

「はずだ」というのは著者の推量であることと、この文章の論理構成が循環論法になっている。「狩りを面白いと思える感覚は生き残るために生物学的に必要だった(はず)」、なぜなら「面白いと思う感覚がなければ生存競争に立ちむかえたはずがないから(=面白いと思う感覚が生存競争に必要だった)」という文章には、「面白いと思える感覚」が不可欠だった根拠がわからない。もし、狩りが面白いと思えなければ、狩りをするのをやめたり、狩りに失敗するというのだろうか。
それに、「生物学的にも必要」、「進化した」という言葉は、人間が進化する過程で必然的だったことになり、心理学的に証明できないのではないだろうか。それとも、狩猟者には必要だとされる「攻撃本能」のことを言いたのだろうか?(「攻撃本能」が必要というのなら理解できる。)

狩猟民族が狩りをする過程で面白いと思うことはあるとしても、狩りの第一の目的は生存に不可欠な肉や皮を得るためであって、面白さに抗いがたいから狩りをしているとは思えない。さらに、生存競争に勝ち残れた直接的な原因は、身体能力に劣る人間が野生動物や自然環境に対する観察力を磨き、武器や乗り物(舟、ソリなど)を発明したことによって、野生動物よりも優位に立つことができたからだと思う。そういう立場なら、素手では対抗できない大型肉食動物を追い回わすことが面白いと思えるだろう。もし、原始的な武器しか持たず大型肉食動物に狩られるリスクが高い場合は、狩りを面白いと思うどころではなく、危険極まりなく命がけなんじゃないだろうか。

武器の発明の影響に関して、「槍先の先に尖った石器を組み合わせることにより、殺傷力は上がりましたが、有効射撃距離は短いため、大型獣の狩猟は、人類にとって依然危険なものでした。.人類に遠隔射撃を可能にした最初の狩猟具が、「投槍器」です。....投槍器や弓矢の登場により、人類は獲物から安全な距離を保ったまま効率よく狩猟する技術(複合的投射技術)を獲得しました。これは、人類進化史の中でも重要な画期であったといえます。」人類進化と狩猟技術の発達(佐野勝宏 准教授 (2017年11月当時)[早稲田大学高等研究所])

それに、狩猟民族にとって狩りの「面白味」には、著者が書いているような動物を追い詰めていきアドレナリンが噴出するものだけではない。罠猟や待ち伏せ猟では、動物の習性と行動を観察し、周囲の環境に応じて、獲物がやってくる状況を判断して、時間をかけてじっと待ち、カスカやクルネアはそういう点で動物との知恵比べを楽しんでいる。さらに、獲物の肉を分け合って食べ、皮を利用して服や靴などを作ることの楽しみも広い意味で「面白味」に含まれると思う。

カスカで狩猟技術や動物観を学び、日本で狩猟免許を取得し狩猟をした経験を持つ研究者は「動物が目の前に現れた瞬間、初めて(獲物を見つけ出す、獲物が罠にかかるまでに感じた)その不安は払しょくされ、喜びと安どの気持ちが押し寄せてくる。」
「狩猟が成功したということのもう一つの意味は、獲物を自分のコミュニティに持ち帰ることができるということにもある。自分の技術や知識が受け継がれた」という嬉しさだけでなく、「肉をともに食べて楽しむことや、人々に贈与した時に豊かになったような気持ちは常に狩猟に付属するものである。」
(16頁)(山口未花子、同上)

「狩りの面白さに躊躇う心情がなければ、この野蛮な殺害行為は野放図にどこまでも拡大するだろう。・・・ひいては人間自身の生活の場でもある自然を破壊することにつながるかもしれない。・・・神聖さというのは、狩猟が根源的にかかえた野蛮さをてなづけるための人間の工夫だったように思う。」(216頁)
そういう狩猟民族もどこかに存在する(した)のかもしれないが、「負い目」を感じることではなく、儀礼を通じて獲物の動物に敬意を払う、肉や皮を余すところなく活用する、その日に食べる量だけを獲る、などによって、むやみに獲物を追い回すことをしない仕組みを持っている民族もいろいろいる。

獲物を追い回すのが面白いから狩りをするのはスポーツハンターじゃないだろうか。(著者が”スポーツハンター”だと言っているわけではない)
肉や皮を手に入れたり取引する目的で狩りをする商人やハンターにとっては面白さが狩りをする動機ではないし、狩猟民族が乱獲しないのは、獲物がいなくなれば自分たちも生存できないことがわかっているからであって、面白いと思うことに躊躇した結果ではないだろう。
(自ら食べる食料や衣服などの材料を手に入れるための)生業としての狩猟とそれ以外の狩猟(交易目的やスポーツ狩猟など)とを一緒くたにして、狩りの面白味みや狩りの動機を論じていると思う。


<雪上バギー&スノーモービルと犬ぞり>
「雪上バギーに乗っていつでも逃げられる態勢をととのえつつ安全な場所から高性能ライフルで灰色熊を撃つ、みたいな狩りにはどこか非情なところがあるように感じられるが、それは死のリスクという正当な対価を支払わず動物の命をうばっているからだ。」
個人的な印象に限れば、「非情」なイメージの原因は、「死のリスクという正当な対価」を支払わないためというよりは、ライフルも含めて圧倒的な力の差と無機的な冷たさ。犬ぞりを使えば、伝統的で有機的な動物VS動物という図式になって「非情」なイメージは和らぐとしても、銃の持つ冷酷さは変わらない。
※米国ではクロスボウなど弓矢も使われているが、日本では弓矢による狩猟は禁止されている。その理由は、弓矢は殺傷力が銃よりも弱いため、手負いの動物を増やすだけで、銃の方が動物を即座に死なせることができるのでマシということらしい。

「動物の命には尊厳があり、狩りをおこなうにしてもその尊厳を踏みにじることは人倫には反する、との道徳律が、人間の心性に根源的に内在しているからだろう」
この文章は著者の個人的な感情を元にして一般論している。「動物の命には尊厳がある」という考えが広まったのは現代の動物の権利思想の影響が大きく、古今東西の歴史と思想に共通するものではない。歴史・文化・環境によって動物の定義や人間との関係は多種多様で、動物の権利や尊厳を擁護/否定する思考はいつの時代でもそれぞれ存在する。

「相手が死ぬだけではなく、自分も死ぬ環境を確保しておくことではじめて双方の釣り合いはとれ、動物の尊厳を踏みにじらなくて済むからだ。」
「動物を狩るなら、できれば自分も死ぬ危険性がある環境でおこなわれるべきで、犬ぞりは暴走する危険があり、単独で犬ぞりに乗って長期漂泊すれば、それ自体が危険な行為なので、このような旅の最中に狩りをして食料を調達することは自然のおきてに違反しない、という感覚が私にはある」

「できれば」という言葉が曖昧。「死ぬ危険性がある環境で行わない」ことは、「動物の尊厳を踏みにじる行為」であり、「自然のおきてに違反する」のか、違うのか、どちらかよくわからない。それに”自然のおきて”とは、具体的にどんな掟なんだろうか。
例えば、カナダのイヌイットがスノーモービルを使う狩猟、網で捕獲するアッパリアス猟、ウサギ猟、罠猟について、著者はどう考えているのだろうか? 狩猟民族の場合は、彼らにとってコアとなる狩猟思想は維持しつつ、できる限り危険を減らして効率的に狩りをしたいと思うのではないだろうか。

シオラパルクでスノーモービルが使われていない理由の一つは、狩りに使うことが禁止されているから。それに、↓の文章を読むと、犬ぞりの方が命のリスクが高いから使われているわけではなく、むしろ逆とも考えられる。
「犬橇ならば餌を用意していかなくても、獲物を分けてやればすむが、スノースクーターはガソリンを食うので、遠出するとなればそれだけ燃料を運んでいかなければならないだろう。犬は鼻をきかせて獲物を探したり追っかけたりしてくれるが、スノースクーターは逆に油と排気ガスで獲物を逃がしてしまう。いざといういうとき犬の方向感覚は頼りになるが、スノーモービルは何も教えてくれない。へたをすると故障が命とりになることもある」(大島、『エスキモーになった日本人』)
「犬がいなければ、家族を養えるだけの獲物をとることもできない。人間の脚だけだったら、果たしてどれだけの猟場を確保できるだろうか」(大島、同上)

犬ぞりの利点に関しては、本書のそり犬たちに助けられたエピソードが面白い。銃弾で手負いの熊を犬ぞりで追い詰めていたら、クマが逆襲してソリに突進し、逃げようとするシオラパルクの村人のお尻に噛みついた。絶対絶命のピンチに、三頭の犬が白熊に噛みついて反撃し、クマが逃げ出したところを村人が銃で仕留めた、という。
もし犬がいなかったら、白熊に食われていたに違いない。スノーモービルやバギーはクマに噛みついてくれない(体当たりすればいいのかも?)。

逆に、カナダのユーコン地域で狩猟をするカスカにとっては、スキドゥ(スノーモービル)の方が犬橇よりも利便性が高く、弓矢よりも殺傷力の高い銃を好む。
「道具に関しても、より利便性の高いものを選択し、新しいモノや方法を積極的に取り入れてきた。たとえば犬橇に代わる乗り物であるスキドゥについて、「トレイルを走っていて、近くにヘラジカが現れてもそれを追いかけて道から外れてしまうようなことがないからいい」と評価する。またライフル銃についても動物を短時間で殺すことができるので理にかなっているとして、むしろ弓矢などよりもカスカの規範に合う道具としとみなしていた。」(山口未花子『ヘラジカの贈り物』351頁)

『イヌイット』によれば、カナダのイヌイットは現金収入に依存する生活に変わっているため、定職があり週末や休暇でしか狩猟できないイヌイットは、カリブーなどの野生動物の肉を食べるために、スノーモービルと高性能ライフルを購入して、短時間で効率的に狩猟することができるという。逆に、時間はあっても現金収入が少なければ、ガソリンも装備も買えず、狩猟に行くことができない人も出てきている。

乗り物の問題より、銃を使わずに白クマ狩りをしていた時代のイヌイットは、本当に命がけだったと思う。
「鉄砲がない時代の白クマ狩りほど危険きわまりないものはなかっただろう。...その一撃をまともにくらったら、犬も即死するし水上に顔を出したアザラシも頭部をつぶされてしまう破壊力である。重心の移動があるから、チーリは予想外に長い。並みのクマでも二メートルくらいまで爪がとどきそうだ。白クマは左利きといわれ、だから昔は白クマに向かって左へ回りこみ、アグーヤ(両刃の槍)で右脇腹から心臓へ向けて刺すのが攻めの定石だったようだ。」(大島、同上)

私には安全そうに思えた罠猟でも、(環境・状況によっては)命の危険は存在する。そういえば、日本でも罠にかかった獲物から逆襲されたりする事故がときどき起こっている。山中の狩りでも、歩いていたら羆やイノシシに出会る危険性はあるし、足場が悪ければ転落する。奥野克巳「森と楽園―ブラガの森のプナンによる動物殺しの民族誌」によると、ボルネオ島の狩猟民族プナンも罠猟を使っているが、ジャングルの中なので見通しも悪くいろんな野生動物が潜んでいるため、安全を確保している環境ではない。彼らは、著者のいうような道徳律に従っているわけではなく、そういう自然のなかで狩猟生活することでしか生きられない。

カスカでは、高い崖で暮らすシープドールの狩猟には危険が多く、崖から転落する事故で死ぬ猟師もいるという。また、カスカの猟師が「罠猟活動においてもっとも強調していたのは、常に『サバイバル(生存確保)』することであった。これは移動の際に汗をかかないこと、水の染み出した湖を歩かないこと、道具を常に良い状態に保っておくこと、薪や食糧の確保といった項目に及ぶ。寒い時マイナス60度にもなる中で活動するためには、あらゆるリスクや可能性に備え、どう対処するべきかあらかじめ知っておくことが生死に直結するからだ」(山口、『ヘラジカの贈り物』」)

「死んだ動物の眼」を読んで私が理解した限りでは、著者の論理によると、”動物の命を狩猟で奪う⇒人間の「原罪」、「暴力」で「野蛮」、危険のない狩りは動物の尊厳を踏みにじる行為 ⇒でも、狩りは面白くてやめられない ⇒ 動物の死に対する「負い目」を負い、「命の危険」をおかして狩猟する⇒「野蛮」が「神聖」に転化し、「動物の尊厳」を尊重し、「自然の掟」に反しない行為” という関係になるように思う。
狩猟民族が「負い目」を感じているという具体的事実を著者は上げておらず(神話に基づいた推量はしている)、研究者のフィールドワーク報告では、「負い目」を持たない狩猟民族はいくつも存在する。
ということは、狩猟民族が「負い目」を感じずに「命を危険にさらして」狩りをしている場合、それは「野蛮」なのか、「自然の掟」に反するのか、よくわからない。

狩猟行為の倫理性についてどう折り合いをつけるかという個人的な問題を解決する論理のなかで、著者の倫理観と合致しているかのように狩猟民族の死生観・動物観や普遍的倫理を語っていることが、共感できない点だった。
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クラシック音楽に本と絵に囲まれて気ままに暮らす日々。

好きな作曲家:ベートーヴェン、ブラームス、バッハ、リスト。主に聴くのは、ピアノ独奏曲とピアノ協奏曲、ピアノの入った室内楽曲(ヴァイオリンソナタ、チェロソナタ、ピアノ三重奏曲など)。

好きなピアニスト:カッチェン、レーゼル、ハフ、コロリオフ、フィオレンティーノ、パーチェ、デュシャーブル、ミンナール、アラウ

好きなヴァイオリニスト:F.P.ツィンマーマン、スーク

好きなジャズピアニスト:バイラーク、若かりし頃の大西順子、メルドー(ソロのみ)、エヴァンス

好きな作家;アリステア・マクリーン、エドモンド・ハミルトン、太宰治、菊池寛、芥川龍之介、吉村昭
好きな画家;クリムト、オキーフ、池田遙邨、有元利夫
好きな写真家:アーウィット

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